冒険者シグノの活動報告書

ガジェオタ大学生のブログ

【感想文】「そう、それ!」を見つけるキーワード、インサイト

 皆さんこんにちは、シグノです。今回はいつもとは趣向を変えまして、本の感想文を綴っていこうと思います。まあ、これも活動の一環なので問題ないですよね。今回の本は原田曜平さんの「それ、なんで流行ってるの? 隠れたニーズを見つけるインサイト思考」です。

 こちらの本は博報堂という広告代理店で若者向けの広告を作り出す専門家、原田曜平さんによって書かれています。こちらの本の中で私が最も心に響いたこと、それは「ある言葉を流行らせたい、もしくは多くの人に響かせたいのだとしたら、その言葉はクリエイターが作るものではなく、ターゲットとする人のニーズを探し、それを的確に突くものでなければならない」という筆者の主張です。

 作中では、流行ったものとその裏事情について、多くの例が示されています。海外では非難轟々だったものの、一部の人の言いたかったことを率先して言うことによって支持を集めたドナルド・トランプ元大統領、過激な言葉ながらも現在の状況に不満を感じる主婦(主夫)の心を代弁して人気になった「保育園落ちた日本氏ね」、赤いビビッドなユニフォームがSNSに映えやすいことで広まった「カープ女子」など、他にも多くの例があります。これらのことからわかる事実としては、「ニーズには最近の情勢などに対する人々の気持ちが含まれており、それをちょうどいい塩梅で示すことがヒットにつながる」ということが挙げられると思います。

 筆者は序盤は「そう、それ!」と表した広告業界の専門用語「インサイト」ですが、この構成には目を見張る物があると私は感じます。「インサイト」は英語を知っている私としては「あ、これは推察や洞察を表す言葉なんだな」とわかりますが、これではこの単語を知らない人は置いてけぼりにされますし、知っていてもニュアンスが違うということは大いにありえます。それを「そう、それ!」という誰でも一度は言ったことのあるような言葉に直すことで意味やニュアンスがよりわかりやすくなっています。このような気遣いがあるところからも、この筆者が数々の流行語を生み出してきたことが納得できます。

 これまでに述べたように、この本には広告業界の人の目線から見た、「人を引き付ける言葉」についての持論が示されています。みなさんももしこの本を見つけたときには、2015~2017年頃に流行った言葉とその成り立ちを学んでみてはいかがでしょうか。ということで今回の感想文は少し早い気もしますがここで終わらせていただきます。